カテゴリー
プロデュース48

Mnetは損しない企画 プロデュース48

2018年5月9日付スポーツワールド掲載プロデュース48関連ニュースの翻訳

CJの損害はない企画 プロデュース48

スポーツワールド

アンチによるノイズも関心があるから。Mentのサバイバルオーディション番組”プロデュース48″ほど放送前から関心を集めている番組もないだろう。”プロデュース48″はAKB48など日本のAKS所属ガールグループメンバーと韓国の芸能事務所所属練習生ら参加者がサバイバルを繰り広げ視聴者投票で一つのグループを作るプロデュース101シーズン3に当たるプロジェクト。

6月15日から放送がはじまり2年6か月間活動する。これ以上の詳細は明らかにされていない。

プロデュース48へのノイズがひと際目立つのも事実だ。その持続性もさることながら内容も激しい。すでに大統領官邸へ数件の番組中止請願が出され、中止要求のポスティングのために海外のK-POP関連サイトを駆け回っている。彼らの反対理由はおおむね一つにまとめられる

「なぜ韓国がJ-POPの宣伝をしなければならないのか?」

このような主張を展開する彼らの多くは性商品化反対論理でガールグループオーディション番組自体に拒否感を示す男性嫌悪コミュニティと自分が応援するガールグループの人気が落ちることを憂慮する警戒心理が発動したファングループ。

重要なのは彼らの論理に一理がないわけではないという点。表面的に”プロデュース48″は日本のガールグループメンバーがK-POP人気に便乗して売り込むように見えるからである。国際的に関心を集めているK-POPを通じて認知度を高めた日本人メンバーが、K-POPへの関心をJ-POPアイドルへ誘導するのではという予想もここから出ている。アイドルファン層以外の一般層にもこのアンチ論理が受け入れられつつある。

しかしこれは状況を極端に単純化させた粗雑な論理に過ぎない。

既に世界中の人々はJ-POPとK-POPをはっきりと区別している。K-POPを聴く海外ファンがJ-POPを一度も聞いたことがないと信じることの方が異常である。あれこれと探して聴いた末に気に入ってK-POPを選択したのが海外のK-POPファンだ。J-POPはなんらかの理由で表に出てこないだけで、ひとたび姿を現せばK-POP人気を根こそぎ奪い取るという予想はJ-POPに対する不安感と被害意識を不必要に深刻化させた発想である。

プロデュース48のもつ本当の意味はK-POPの人脈拡大と見るのが妥当だ。見込みのある人材を海外から呼び寄せていたこれまでの方法から、既にデビューしファンを持っている人材をK-POPに合流させると見るべきだ。

K-POPはメンバーの人種や国籍にこだわらない一種のサブジャンルのようになって久しい。一つの音楽的方向性であり方法論である。韓国人メンバーが1人もいないグループでも、韓国の芸能事務所が主導して全体をコントロールし収益を得る構造であれば、それは産業的にK-POPであることに変わりはない。

プロデュース48が生み出すグループがどのような成果を上げようが、これは間違いなくK-POPのもう一つの成功談になるということだ。

プロデュース48への疑問が生じるのも当然ではある。韓国側が損をしない企画になぜ秋元康のAKSは同調したのか。これを理解するためにはAKB48及び48グループ全体の現実を理解する必要がある。

はっきりと言えばAKB48の人気は下落傾向にある。相変わらずシングルCDの売上は100万枚を超えてはいるが”売る構造”が変化した。2010~2012年の全盛期は約40名のメンバーで100万枚を売り上げたが、今は後発グループのSKE48、NMB48、HKT48などのメンバーを総動員し300余名で100万枚を売っていると見ればいい。

このような方法でAKB48をなんとか維持しているだけで、それを支える姉妹グループの成績は激しい下降曲線を描き、収益構造自体が既に崩壊寸前である。

ローテーショングループの限界という見方も存在する。AKB創成期から全盛期の人気メンバーを次々を卒業させていく過程で、まず雰囲気が低下した。人気の高いメンバーが抜け、今は名前だけの国民ガールグループになっている状態。その間、若いファン層は”坂道シリーズ”と呼ばれる46グループに移った。坂道シリーズのグループは48グループ路線から意図的に外れた、いわゆる”笑わないアイドル”というキャッチフレーズで新たな方向を提示したグループである。

グーグルトレンドなど若い層の関心度を知ることが出来る指標をみると状況が簡単に理解できる。最上位の三強は46グループの乃木坂46、欅坂46、そしてTWICE。48グループは本体のAKB48がその下にいる。

特に若いファン層を完全に失っていることが目を引く。昨年7月の日本のLINEアンケート調査によるとAKB48ファンの中で30歳未満は17%に過ぎなかった。20代10%、10代4%で事実上10代のファンはいないと言っても過言ではない。そして40代以上が全体の61%を占めた。その中で60代以上が15%で20代を上回った。すでにアイドル商品としての常識を超える数値である、つまりAKB48は”老けた”

10代20代のファンが付かないということは大衆性も落ちるという事になる。全盛期時代の一般層への認知度が高いメンバーはほとんど残っていない。後から加入したメンバーの事はファン以外はほとんど知らない。100万枚を売ってもメディアは取り上げなくなった。注目度が低いためである。アイドル商品としての根幹が崩れ去った状態である。

ここからくる不安感は当然AKS経営陣だけが持っているわけではない。48グループのメンバーも同じである。現在プロデュース48に参加しているHKT48のメンバー宮脇咲良がその代表。昨年48グループ内の人気投票”AKB総選挙”4位にランクインし今年は1位を狙える最上級人気メンバーである。そんなメンバーでさえインターネット放送で「子供の頃AKBをテレビで見た時、とても輝いて見えた。でも私が主役になって3回もセンターに立ったが、私がAKBの名誉に傷をつけているようだ。(音楽番組に出演して)他の歌手を大勢見たが、その度に自分が小さくなる感じ」と吐露したことがある。

ファンの間で人気が高いだけで一般的な人気路線からは外れているという自己認識である。プロデュース48に48グループから85名が志願したという噂もあり宮脇咲良ら最上級人気メンバーまでサバイバルに参加することになった理由だ。

AKBをはじめとしたAKBグループはもうここまで来た。その根本原因の多くはアイドルグループ特有の”ストーリー性”の不在が指摘されている。全盛期の人気メンバーはAKB48が無名時代から奮闘しグループを頂点に導いた。強烈なアンダードッグストーリーがあり、その成長を見守るファンの代理満足心理が満たされた。

その種の代理満足、代理保障型成長ストーリーこそが、アイドルファン拡大の根幹になる要素である。

しかし現在AKB48を構成するメンバーはそのようなストーリー性を生かせないメンバーが大多数。48グループが人気となった後に加入したシンデレラたちが多い。そしてAKBブランドの惰性に浸った。メンバーの個性を示そうと努力はしてみたが、多くは卒業した人気メンバーのキャラクターを反復するだけだった。敷かれたレールの上を走るだけの活気のないシンデレラ集団になってしまったのだ。そして新世代ファン層の流入は徐々に減少していった。

プロデュース48はまさにAKB48のようなローテーショングループのジレンマに”新たなストーリー”という転換点になりうる企画だ。人気の落ちたかつての怪物グループのメンバーが見知らぬ国、見知らぬルール、見知らぬ仲間と作り出す友情とサバイバルのドラマ、どん底から這い上がる第2のアンダードック成長記は注目を集めやすい。

AKBグループのプロデュース48参加の背景は若者層に人気のK-POPがある。21年目を迎えたローテーショングループ”モーニング娘”の人気がどん底だった2012年当時、EDMやフォーメーションダンスなどで実験し成功したことがモデルになったともいえる。

プロデュース48で新たな話題性を得た48グループのメンバーが所属グループに新たな風を呼び入れ雰囲気を刷新する、AKBグループの利益になるのは明白である。

もちろんプロデュース48を企画演出するMent(CJ&M)の利益は言うまでもない。プロデュース48で結成したグループの日本進出が容易になるだけではなく、秋元康という怪物プロデューサーとの協力関係を通じて、これまで大手芸能事務所が多額の授業料を払って手に入れた日本市場進出のノウハウを容易に手に入れることが出来る。また韓国よりも日本で好評を得ているフロミス9などのグループの活路が開ける可能性もある。

デビューして間もないフロミス9のメンバーのチョン・キュリを敢えてプロデュース48に参加させたのもフロミス9日本進出の布石である可能性がある。

このように日本と韓国の利害関係がぴったりと一致する企画がまさにプロデュース48。互いに必要な条件が衝突せず調和のとれた企画でタイミングも合った。どちらかが損をしてとちらかが得をするという構造ではない。

いずれにしろ現時点で絶対に知っておかなければならない事がある。すでにアイドル産業を中心としたアジア音楽産業で韓国は映画のハリウッド、野球のメジャーリークのような一種の”メッカ”になったという事である。

韓国がアジア全域を訪ね売り歩く状況を過ぎ、今やアジア全域が自ら韓国へ押し寄せるようになった。韓国で自身の価値を高め、韓国で再起を夢見る、そして韓国を中心に各種のトレンドと産業の方向が拡散する。プロデュース48もその大きな流れの中で自然に生まれた企画である。

先日、CUBEエンターテインメントからメンバーの半数を外国人が占めるガールグループがデビューした。そしてデビュー直後から韓国をはじめ世界各地から熱い反応を得ることに成功した。

もうJ-POPを警戒するというような過度な反応は止める時ではないのか。すでにアジア音楽産業の中心に立った韓国は、密接な協力関係による円滑な市場の流れを通じ
互いの市場を育成することを考える時である。

そしてアジアがアメリカ、ヨーロッパを上回る大型音楽市場に成長した時、世界エンターテインメントの覇権は変わる

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です